04561-161022 iOS10でメイルの扱いを楽にするひとつのボタン
日常的な連絡はほとんどメッセージ環境に移行した現在、メイルは補完的な連絡手段ではありますが、依然としてメイルも届く。
その扱いは迅速に、迅速に。
メイルに対するshioのアクションは以下の5種類。
読まずに廃棄
読んで廃棄
読んで不対応
読んで後で対応
読んで即対応
ほとんどのメイルは1〜3だから、単純な操作で仕分けできるのが望ましい。同時に、対応が必要な4、5を見失わないようにすることが大切。
その操作をiPhone/iPadのiOS 10で大きく変えました。メールアプリに「未読/フラグ フィルタ」ボタンが付いたおかげ。
iOS 9までは、各アクションのために、下記の操作をしていました。
読まずに廃棄→リストで左に大きくスワイプして削除
読んで廃棄→読んだ後、画面下部中央のトラッシュボタンを押す
読んで不対応→リストで右にスワイプしてアーカイブ
読んで後で対応→そのまま受信箱に残す(アクション不要)
読んで即対応→返信ボタンを押して返信するなど
読んだメイルを「削除」または「アーカイブ」することによって、受信箱を空にする方式。2006年以来続けてきました。実際には、対応4で受信箱に残したメイルのうち未対応のものが、常に受信箱に残ってしまいます。なかなか受信箱が空になる機会はありません。
iOS 10で、以下のように2、3、4を変更しました。
読まずに廃棄→iOS 9から変更なし(リストを左に大きくスワイプして削除)
読んで廃棄→ 読んだ後、画面下部中央のトラッシュボタンを押すか、メイル本文を左に大きくスワイプ
読んで不対応→そのまま受信箱に残す(アクション不要)
読んで後で対応→リストまたはメイル本文を右にスワイプしてフラグを立てる
読んで即対応→iOS 9から変更なし(返信ボタンを押して返信するなど)
対応3のメイルと4のメイル、どちらが多いか。圧倒的に3が多い。したがって3が「アクション不要」になる方がはるかに効率的。
一方、フラグを立てるなら、それが容易に目に触れ、リストアップされるインターフェイスが必要。従来、Macではスマートフォルダで「フラグ」フォルダを作り、フラグが立っているメイルだけがワンタッチで抽出される設定をしていましたが、iOSで同じことをするには一旦メイルボックスの選択画面にまで戻る必要があるので現実的ではなく、フラグを立てる方式は採用できませんでした。
それがiOS 10でできるようになったのです。画面下部のフィルタボタンで、「未読」「フラグ」あるいはその両方をワンタッチで抽出して表示できるようになりました。これならフラグ方式が楽。
これに伴い設定も変更しています。iOS 9までは右スワイプに「アーカイブ」を割り当てていましたが、iOS 10では「フラグ」を割り当て。リスト上のメイルやメイル本文を右にスワイプするとフラグが立ち、もう一度スワイプするとフラグが消える。iPhone/iPadらしい簡単操作です。iOS 10ではリストだけでなくメイル本文を左右にスワイプしても操作できるのが嬉しい。
アーカイブはgmail的。フィルタリングはApple的。アーカイブ方式は元々gmailの操作体系。読んだメイルはアーカイブして受信箱を空にしよう、という考え方。それだと、年間何千通、何万通ものメイルに対してアーカイブ操作を繰り返すことになります。
一方、Appleの考え方はフィルタリング。全ての情報を1か所に置き、必要な情報だけを目的に応じて抽出しよう、という方式。Mac/iPhone/iPadのほとんどのアプリでその方式が実現しています。メイルでそれができるなら、いちいちメイルをアーカイブに移動する操作が不要で、必要なものだけフラグを立てておけばいい。
やはりApple的な思想で情報を扱う方が日常的に楽だしトータルで効率的。iOS 10はそれを実現するインタフェイスとして「未読/フラグ フィルタ」ボタンを実装。そしてmacOS Sierraのメイルアプリにも、同じボタンが実装されました。素晴らしい。
おかげで、メイルアプリの見た目がいつもスッキリ。フラグの立ったメイルと未読のメイルだけが表示され、アクションや対応が必要なものだけが目に入るようになりました。Appleの本質的な思想に裏打ちされたインタフェイスの進化、ありがたいです。
By 塩澤一洋, Kazuhiro Shiozawa on October 23, 2016.
Exported from Medium on May 2, 2017.